セイロン紅茶の始まりは、1839年カルカッタ植物園のアッサム野生種が、キャンディーのベラデニア植物園に移されたのが最初である。さらに1840~42年には、この苗をヌワラ・エリヤに試作した。 これとは別にオームスが中国から中国種を持ち帰って、プッセラワに植えて成功した。
1865年には、セイロン茶業の父といわれるジェームス・テイラーがペラデニアからアッサム種の種子を集め、1866年にルーレコンデラに蒔いて茶園を作った。 こうして相前後して同一地域に植えられた中国種とアッサム種は自然交配を起こし、新しい雑種と なって、その土地に適した性能を発揮し増殖された。
もともとセイロンはコーヒーが多く栽培されていたが、1869年に発生したコーヒーの「銹病菌」が、1877年~1878年にコーヒー園を全滅させるほどの猛威を振るった。 全滅状態のコーヒー園の跡地にスパイスやキニーネなどの作物が試作されたが、お茶が最適であるとして、1875年には1080エーカーのコーヒー園が茶園に切り替えられ、1895年には50万エーカーあったコーヒー園のうち被害を受けた30万エーカーが茶園に替わりコーヒーに替わる産業として大紅茶産地に変貌していった。
セイロン (スリランカ) はキャンディーの町から南は、山岳地帯で年2回のモンスーンがあり、雨量も豊富で日照や気温にも恵まれて茶の栽培に最適である。 セイロン紅茶は茶園の高さによって、1,200メートル以上がハイ・グロウン・ティー (高地産茶) 、600~1,200メートルがミディアム・グロウン・ティー (中地産茶) 、600メートル以下がロー・グロウン・ティー (低地産茶) として分類されているが、一般的にはウバ、ヌワラ・エリヤ、ディンブラ、キャンディー、ルフナと産地名で呼ばれている。
茶の生産はモンスーン期を除いて1年中行われるが、ヌワラ・エリヤ高地を境にして東側と西側でそれぞれクォリティー・シーズンがあり、1~3月がウエスターン・ディンブラ・シーズン、7~9月にかけてイースターン・ウバ・シーズンとしてそれぞれの地域で最高品質の茶が生産される。
ウバ (UVA) 地区は、スリランカ中央高地の東側斜面海抜900~1,500メートルの地域に茶園があり、ウバ茶特有のメントールの香りと「パンジェンシー」と呼ばれる溌溂とした味で、多くのブレンドに広く使われている。7~9月までのクォリティー・シーズンと呼ばれる乾季に生産される高品質茶は、単品で味わえる茶として重宝されている。
ヌワラ・エリヤ (Nuwara Eliya) はセイロン中央高地に位置し、穏やかな気候、美しい景色、樹木の生い茂った森林、花模様の牧草地の高原と様々な景観を有する地で、標高2,000メートル以上のだ円形の山やその山々の谷間に茶園がある。 ヌワラ・エリヤの茶園ではユニークな風味の茶が生産される。
メントールの香りのする野生のミントやユーカリ、成長する糸杉の木の芳香が要因でヌワラ・エリヤ茶の芳香が生成されるといわれている。
ヌワラ・エリヤは高品質の茶がとれる二つの期間がある。 7~9月にかけてのイースターン・ウバ・シーズンと1~3月にかけてのウエスターン・ディンブラ・シーズンの乾季に生産される。 カップすい色はレモン・イエローからオレンジ色で、軽快な味と爽やかでデリケートな芳香はセイロン茶の中で「紅茶のシャンペーン」と呼ばれている。
ディンブラ (DIMBULA) は1870年代にセイロンでコーヒー茶園に替わって茶が植えられた最初の地域で、セイロン茶の中では最も有名な名前である。
ディンブラは中央高地西側斜面の海抜1,000~1,800メートルに茶園があり、この広大な茶産地を構成する広い範囲に渡る山々と谷は Nuwara Eliya (ヌワラ・エリヤ) の西側のHatton (ハットン) 、Dick Oya (ディコヤ) 、Talawakelle (タラワケッレ) の全地域、Nanu Oya (ナヌーオヤ) の高地にまで至る。
南西モンスーンのもたらす雨は、茶の品質に重要な影響を与えている。 クォリティー・シーズンの1~3月までの冷たく乾燥した気候は、ディンブラ茶にコクのある味と鮮明でデリケートな香りをもたらす。
ウダ・プッセラワ (Uda Pussallawa) 地区はウバ (Uva) とヌワラ・エリヤ (Nuwara Eliya) の北端にあり、ウバ地方と同じ北東モンスーンの影響を受ける。
ウバと異なり、ウダ・プッセラワは高品質の茶がとれる二つの期間がある。7~9月にかけての伝統的なイースターン・ウバ・シーズンと1~3月にかけてのウエスターン・ディンブラ・シーズンで高品質の茶が生産される。 ウバに近い地域では7~9月のウバ・シーズンには、ウバと同じようなメントール系の香りの茶が生産され、またヌワラ・エリヤに近いアッパー・ウダ・プッセラワの茶園では冷たく乾燥した1~3月の時期にはバラの花の香りを持った茶が生産される。
セイロンの古都 (スリランカ) キャンディー周辺の茶園は中地産茶が生産されることで知られていて、これらの茶は濃厚なすい色で、コクのある味の強いお茶である。 茶園は海抜600~1,200メートルにあり、セイロンにお茶が最初に植えられた地域として有名である。
セイロン南部、海抜600メートルまでの熱帯雨林地帯で栽培される低地産茶をルフナと呼び、黒味がかったカップすい色で甘い香りと強い濃厚な味が特徴である。
Whole Leaf (大型の茶葉) は、鮮やかな金色や銀色の芽が多く含まれていて、外観や味に特別ものがあり、濃厚な味と甘い風味の茶を好む人に最適である。
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