ダージリンは北インド、ヒマラヤ山麓2,300メートルの高地にあり、世界に冠たる「ダージリン・ティー」の産地として有名である。
ダージリンの茶園は、海抜500~2,000メートルの山頂までの険しい山の斜面に中国種、中国交配種やアッサム交配種の寒さに強い茶樹がびっしりと植えられている。
ダージリンの茶園は高地にあり、日中の高温と夜間の低温の差が大きいので、谷底から霧が発生し茶園を覆うように上昇してくる。 この白い霧が比類なき香りのダージリン・フレーバーを生成するといわれている。 ダージリンには約90の茶園があり、栽培面積は19,000ヘクタール、茶の生産は3~11月にかけて行われ、年間総生産量は10,000~12,000トンである。
◆3月~4月(ファースト・フラッシュ)
香りは高いが、すい色はレモン・イエローから淡いオレンジ色の淡いものが多く、フレッシュな緑茶に似た風味で苦味の強いものも多い。
◆5月~6月(セカンド・フラッシュ)
トップ・クォリティー・シーズンといわれ、味、香り、すい色、外観ともに最高品質の茶が生産される。
◆7月~9月(サード・フラッシュ)
ダージリンにモンスーンが訪れ、雨季となる。 茶は湿気を多く含むので、外観は黒色の物が多く、味、香りとも、一般的なものとなる。
◆10月~11月(オータムナル・フラッシュ)
乾季となり、僅かの期間にオータムナルと呼ばれる、香りの良いヴィンテージ茶が少量収穫される。
ダージリン茶は特有のすぐれた香りを生かすため、殆んどがOPタイプに作られている。 クォリティー・シーズンのダージリン茶は、外観は紫褐色や茶褐色で、チップ (芽) を多く含み、特有の香りと爽やかな味で、すい色は明るい黄金色である。
ダージリン茶は、茶園によって、また収穫される時期によってそれぞれ異な った味と香りを持つが、最高品質茶は中国種の茶樹から作られるフルーティ ーな「マスカット・フレーバー」やクローナル種の茶樹から製造される「ブ ーケ・フレーバー (花束の香り) 」であり、その爽やかな香りと溌剌とした 風味で「紅茶のシャンペーン」と称され全世界の紅茶通に珍重されている。
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