茶の発祥の地、中国では、まず緑茶が作られ、紅茶は宋の時代からといわれています。
当時の製茶技術は、人工により、さまざまな形態のものが作られていました。
例えば、天候不順が続けば、摘み取られた生葉は自然に発酵する事もあって、半発酵の烏龍茶ができることもあり、また釜煎り式の中国緑茶に混じって、包種茶 (弱発酵のお茶) ができることがありました。
1610年、ヨーロッパに最初に輸入された頃の中国茶は、中国茶発祥の地で中国茶産地として由緒ある武夷山麓の烏龍系の茶と、浙江省天台山の釜煎り緑茶が多くありました。
ヨーロッパで茶の人気が上がり、消費が伸びるに従い、特にイギリスでは東洋的な釜煎り緑茶よりも烏龍系の茶に興味を示すようになり、買い手の好みに合わせて烏龍茶をよりストロングなものにするために、発酵を進めているうちに、完全発酵の紅茶が作り上げられました。
この、苦くてストロングな紅茶は、ヨーロッパの人の嗜好に合い、中国からのお茶の輸入は緑茶から紅茶に移るとともに、中国での紅茶製造の割合も増加していきました。
現在、日本、中国、台湾など、いわゆる緑茶国といわれている国を除けば、世界の大部分の国では茶といえば紅茶のことを指し、紅茶は茶全体の消費の8割 を占めています。 紅茶は今や全世界の全ての国で飲まれ、愛好されるまでに普及 しています。